失業保険手当を受給する上で、自己都合退職と会社都合退職には大きな違いがあります。
簡単に言えば、会社都合退職の場合は、手当の支給開始が早くなり、かつ支給期間が長くなります。
つまり、失業保険手当をもらう上では、会社都合退職のほうがだいぶ優遇されることになります。
これは、失業保険というのがそもそも事故的な失業(倒産やリストラなど)に備えるための保険という意味合いがあるためだと思います。
この退職理由(失業理由)の認定についてですが、自分から退職願を出した場合は必ず自己都合退職になる、とも限りません。
勤務状況などによっては、退職後に会社都合退職に変更することも可能です。
もちろん、誰でも会社都合退職にできるわけではないですが、意外と条件に当てはまる人はいるんじゃないかと思います。代表的なところでは、残業時間が多い場合など。
ここでは、退職理由が会社都合(特定受給資格)になる条件と、自己都合退職を後から会社都合退職に変更する方法などについて紹介していきたいと思います。
このページの目次
失業理由が「会社都合退職」になる基準とは?
形式上は自己都合退職だった場合(つまり、自分から退職希望を出して辞表を提出した場合)でも、退職後にハローワークで手続きをする際に、会社都合退職に変更することは可能です。
その基準は、「離職を余儀なくされた」と見なされる場合。
具体的には、以下のような条件があります↓
特定受給資格の条件一覧
ハローワークの公式サイトなどにも載っていますが、主なものをまとめると以下のような基準を満たしている場合は、会社都合退職に変更できる可能性があります。
- 会社の倒産による退職
- 事業所の廃止・縮小による退職
- 勤務先の移転により通勤が困難になったことによる退職(目安は往復4時間以上)
- 会社からの一方的な解雇による退職(懲戒解雇など自分に責任がある場合は除く)
- 希望退職制度による退職
- 契約社員として契約を1回以上更新し3年以上勤務している状態で、会社から更新しないことを告げられたために退職した場合
- 入社時に契約を更新する条件だったにも関わらず、実際は更新されなかった場合
- 労働条件が採用時に示された内容と大きく相違があった場合(1年以内に限る)
- 2か月以上連続で、固定給の3分の1を超える額が期日までに支払われなかった場合
- 予告なしに固定給を15%以上下げられたために退職
- 退職前の3か月以上に渡って残業時間が月45時間を超えていた場合
- 専門職で採用されたにも関わらず、別の仕事内容を命じられ給料も下がったため退職した場合
- 10年以上同じ仕事をしてきたものの、急に別の仕事に研修・訓練などなしで異動させられたために退職した場合
- 上司や同僚からのパワハラ・嫌がらせなどがあった場合
- 介護・看護が必要な家族がいる状態で無理に転勤を命じられたために退職した場合
- セクハラをされて担当部署などに相談したものの1ヵ月以上改善が見られず退職した場合
- 労働者の生命・身体をほどする条例に会社が違反しており、行政から指摘が入ったにも関わらず1か月以上改善が見られなかったために退職した場合
また上記以外にも、体力の不足や心身の障害など、正当な理由による退職の場合は、「会社都合退職」と認められることがあります。
残業時間の条件を満たす人は多い?
上の中でも、特に注目したい項目は、
「退職前の3か月以上に渡って残業時間が月45時間を超えていた場合」
です。
これはつまり、月45時間を超える残業時間が退職前3か月以上あった場合に認められます。ちなみに私の場合も、この条件に該当したため定受給資格が認められました。
月45時間以上の残業って聞くと多いように感じるけど、1日あたり平均2時間強の残業。これって意外と当てはまる人はいるんじゃないでしょうか。
少なくとも私の前の会社では、社員のほぼ全員が当たりまえのように月45時間以上は残業していました。
また、他の会社に勤めている私の周りの友達・知り合いでも、1日2~3時間の残業をしている人っていうのは、それほど珍しいケースではありません。
証明できる証拠が必要
とはいえ、ハローワークで会社都合退職だと認定してもらうためには、ただ口頭で「残業が多かったんです」と言うだけではやはり不十分で、それを証明できるものが必要になってきます。
例えば残業時間でいえば、給与明細などに勤務時間が記載されているはず。それによって残業時間45時間以上が証明できれば、問題なく会社都合退職に変更できると思います。
なので退職が決まっている人は、給与明細は捨てたりせずしっかりとっておくようにしましょう。もしくは職場でタイムカードなどを付けている人の場合は、コピーしておくのがよいと思います。
それ以外で、例えば、実際は会社都合退職なのに自己都合退職にさせられてしまいそうになった場合。あってほしくないことですが、実際にはそういうケースもあるようです。
そんなときも決して泣き寝入りしたりはせず、退職前でも大丈夫なのでハローワークに行って、職員の方にどんな証拠をまとめておけばいいか相談してみるのも良いと思います。
「会社都合退職」になれば失業中の生活が大きく変わる
自分から退職希望を出したので自己都合退職だろうと思い込んでいる人もいるかもしれないけど、会社都合退職の条件に該当しないかはよく確認してみることをおすすめします。
自己都合退職と会社都合退職では、失業保険手当を受給できるタイミングと期間が大きく変わってきますからね。
具体的には、支給開始が約3か月、支給総額も約3か月分の違いが出てきます。
そうなると、失業中の生活や再就職活動のやり方も大きく変わってきますよね。
◎受給期間について、詳しくはこちらの記事に書いています↓
関連記事)失業保険手当はいつからいつまでもらえる?
以上、失業理由を自己都合から会社都合退職に変更する方法、特定受給資格の基準についてでした。
ちなみに、失業中のお金の余裕がない場合、退職後に失業保険の申し込みをする前に、短期間でまとまった収入を得られる治験のアルバイトに参加するのがおすすめです。
関連記事)
失業保険受給前のバイトには短期の治験がおすすめ
▼ビジネスマナーなど仕事の基礎を学べる転職支援サービス
>>経歴に自信がなくてもOK!無料でビジネスマナーを学び転職を有利に
再就職におすすめの転職サイト・転職エージェント
正社員未経験の方も歓迎しているため、気軽に利用できます。
セミナー参加や職業相談などで求職活動実績も作ることができます。
既卒・第2新卒や、新卒入社からすぐに退職した人など、職歴の浅い人も安心して利用できます。
書類作成から面接対策まで丁寧なサポートを受けられます。
すべて女性を求めている求人になるため、女性の方はこちらの求人サイトを通したほうが選考通過~内定の可能性は高くなる傾向に。
正社員よりも給料が高くなる場合も多く、さらに残業無し・時短勤務も可能など、自分のスタイルに合わせて働けるのが魅力です。
マイナビスタッフでは、幅広い職種の仕事を全国から探すことができます。 派遣からゆくゆくは正社員を目指せる”紹介予定派遣”の求人もあります。
>>その他、業界や働き方別のおすすめ転職サイト一覧はこちら
失業保険手当の受給に必要な求職活動の実績。
このサイトでは、おすすめの実績の作り方や、実績に入る活動と入らない活動の基準などについて、半年間の失業期間を経て再就職した私自身の経験からご紹介します。