仕事を辞めたあと、失業保険手当の申し込みに行く人がまずいちばん気になるのが、失業保険手当がいつから支給されるかということじゃないでしょうか。
ここでは、その受給可能なタイミングと期間を知る方法を紹介していきます。
このあたりの知識は、できれば退職前に知っておいて準備しておきたいところです。
このページの目次
いつからもらえる?自己都合退職は給付制限に注意
自己都合退職の場合は通常約4か月後
まず知っておきたい大きなポイントは、自己都合による退職の場合、失業保険手当が支給されるまでに3か月間の給付制限期間があるということ。
「給付制限期間」とは、待期期間の満了後にさらに手当の支給が行われない期間のこと。
「正当な理由がなく自己の都合で退職した人」「自分の責任による重大な理由による解雇を受けた人」などが対象になります。
簡単に言うと、自ら辞めた人は基本的にこの給付制限期間が発生します。
さらに、詳しくは下で紹介していきますが、他に7日間の待機期間や申し込み手続きなどの期間を含めると、実際に手当を受給できるのは、退職してから約4か月後となります。けっこう長いですね。
つまり、自己都合退職の場合は、退職後のその4か月間間の生活を送れるだけの貯金などを準備してから仕事を辞めないと、毎日生きて行くだけでも大変なことになってしまいます。
会社都合退職なら退職の翌月からすぐ
一方、会社都合退職の場合は、7日間の待機期間のみで退職の翌月からすぐに受給が開始されます。
自己都合退職と会社都合退職では、大きな違いがあるといえますね。
7日間の待機期間とは、「本当に失業しているかどうかを見極めるテスト期間」のような意味合いです。この期間にはアルバイトなども行うことができません。
この7日間を失業状態で過ごして、初めて失業手当の受給資格が発生することになります。
では次に、会社都合退職の場合と自己都合退職の場合、それぞれの退職から失業手当受給開始までの流れを紹介していきます↓
受給までの流れ・ハロワへ行く回数は?
まずはハローワークで初回の求職手続き
自己都合退職の人も、会社都合退職の人も、まず退職した後すぐに共通して行わなければいけないのが、退職の翌日以降にハローワークへ行き求職手続きを行うこと。
その後、待機期間を経た後に、受給説明会への出席が必要です。
説明会というのはは受給のための注意点などの説明が行われる最初のガイダンス的なものですが、参加は必須。待機期間を経た上でこの初回説明会に出席して初めて、正式に受給資格が発生することになります。
ちなみに、失業中のお金の余裕がない場合、退職後に失業保険の申し込みをする前に、短期間でまとまった収入を得られる治験のアルバイトに参加するのがおすすめです。
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失業保険受給前のバイトには短期の治験がおすすめ
約4週間ごとに失業認定を受ける
そして、その後に約4週間ごとに設定される「失業認定日」にまたハローワークへ行く必要があります。ここでは、その期間に「本当に失業していたのか」「求職活動を行っていたか」の確認が行われます。
会社都合退職の場合は、この初めての認定日に参加した数日後に、初めての手当が振り込まれることになります。つまり、スムーズにいけば、退職から約5週間程度で失業保険手当の支給が開始されることになります。
そして以降も、約4週間ごとに設定される失業認定日にハローワークへ行き、認定されればまたその数日後に手当が支給されます。
会社都合退職の場合の流れ
- 退職
- 求職手続き
- 7日間の待機期間
- 初回説明会
- 失業認定日
- 初回手当支給
という流れですね。
自己都合退職の場合の流れ
一方、自己都合退職の人の場合は、初回の失業認定日までの流れは同じですが、3か月間の給付制限期間があるため、ここでは単に失業認定が行われるだけ。
その後約2か月間の後に設定される2度目の失業認定日があり、その数日後に初めて失業手当が支給されることになります。
- 退職
- 求職手続き
- 7日間の待機期間
- 初回説明会
- 3ケ月の給付制限
- 給付制限中に1度目の失業認定日
- 2度目の失業認定日
- 初回手当支給
という流れです。
まとめると、以下のようになります↓
■「会社都合退職」の場合は、初めての手当支給までにかかる期間は退職から約5週間で、それまでにハローワークに通わなければいけない回数は3回。
■「自己都合退職」の場合は、初めての手当支給までにかかる期間は退職から約4か月で、それまでにハローワークに通わなければいけない回数は4回。
やっぱり、自己都合退職の場合はなかなか厳しいですね。この4か月が経済的に持たない…という人も少なくないんじゃないかと思います。
失業手当はいつまでもらえる?
ではこの失業保険手当をいつまでもらえるか、つまり何日分支給してもらえるのか。
この失業手当がもらえる日数のことは「所定給付日数」と呼ばれていますが、これは雇用保険に加入していた期間によって変わってきます。
また、ここでも自己都合退職と会社都合退職の場合で条件が変わります。
簡単にいえば、会社都合退職の場合は支給期間が長くなります。
具体的には以下の通りです↓
自己都合退職の場合の所定給付日数
被保険者期間 | 10年未満 | 10年以上 | 20年以上 |
― | 90日 | 120日 | 150日 |
見て分かるようにシンプルで、加入期間によってもあまり大きな差がありません。
加入期間が1年でも9年でも、失業保険手当を受給可能な期間は同じ日数なので、長く勤めていた人からすればちょっと損した気持ちになる制度かもしれません。
ただ一方で、短期間で辞めた人からすれば、90日支給されるというのは安心できる日数じゃないでしょうか。
会社都合退職の場合の所定給付日数
一方、会社都合退職の場合は少しややこしくて、年齢によっても受給できる期間が変わってきます。また加入期間もより細かく分けられています。
具体的には以下の通りです↓
被保険者期間 | 1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | ― |
30歳以上35歳未満 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
35歳以上45歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
45歳以上60歳未満 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
60歳以上65歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
特に45歳以上60歳未満で20年以上勤めていた人の場合は、330日と約1年間にわたって受給できることになりますね。
なぜこれほどまでに会社都合退職が優遇されているのかというと、そもそも雇用保険とは、いざというときの事故的な失業に備えた保険というような意味合いがあります。
そのため、自分の都合ではなく会社の倒産やリストラなどによって離職せざるを得なかった人には手厚い制度になっているということですね。
まとめ
以上、失業保険手当が支給されるまでの流れと、受給可能な期間についてでした。
見てみると分かるように、会社都合退職のほうが、言い方はあれですが手当の面で圧倒的に得をする場合が多いです。
自己都合退職であっても、労働条件(残業時間が多いなど)によっては、会社都合退職に変更してもらえるケースもあるため、ここは当面の生活のためにもしっかり確認しておくことが重要です。
また、まだ退職に至っていない人の場合は、できれば4か月程度の貯金は準備してから退職するのをおすすめします。
当面の生活資金が無いために、無理やりすぐに入社できる会社に再就職を決めたことでブラック企業に入ってしまう…というケースもあるようですが、そうなってしまってはなかなか抜け出せないマイナスのスパイラルに入ってしまうと思います。
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